循環型社会への貢献

2019年に政府が掲げた施策「プラスチック資源循環戦略」に基づき、『3R+Renewable』の観点で、ライフサイクル(製品開発~材料調達~モノづくり~使用~廃棄)の各段階で3Rに取り組み、資源の有効活用につなげています。

3Rに配慮した製品開発の推進

製品開発段階で使用材料仕様、リサイクル材、軽量化、長寿命化などに配慮し製品開発を進めています。

3R配慮設計 事例

JR東日本両面吸音板

3Rポイント
JR東日本の駅構内で廃棄されたPETボトルを原料にした吸音材を採用し、低周波領域の騒音も低減します。

ペロブスカイトソーラー付シェルター
(大阪・関西万博西口ゲートシェルター)

3Rポイント
ソーラーパネルは屋根材から脱着できる構造であり、パネル交換と分離が容易です。

バイオプラスチック(バイオマスプラスチック、生分解性プラスチック)の利用拡大

「プラメタルスマート®アートパネル(金属樹脂積層複合板)」は再生材料の使用に加え、バイオマス由来原料を配合し、石油由来の樹脂使用量を削減しています。
(一般社団法人 日本有機資源協会 バイオマスマーク取得 認定番号230303)
また使用している金属箔(アルミニウム)は、(株)UACJ のリサイクル材やグリーン地金などを適用した環境配慮型アルミ材「ALmitas+SMART」を使用しています。
このような材料構成により、従来品と比べ「原材料調達~製品製造・出荷及び製品廃棄」において、CO2排出量を約30%削減(社内試算値)した製品です。

材料構成
バイオマスマーク

生産部門における3R活動

循環型社会の構築へ貢献していくためにも生産部門は「つくる責任」として、「3R(Reduce:発生抑制、Reuse:再使用、Recycle:再資源化)+ Renewable(再生可能資源に代替)活動」を積極的に推進し、廃棄物の削減に努めています。2024年度も、生産性及び良品率改善につながる設備導入や仕様変更により廃棄物発生量の抑制に取り組みました。M&Aにより海外事業所における廃棄物量が増え、グループ全体の排出量も増加となりましたが、原単位においては改善することができました。

廃棄物排出量と原単位(国内事業所・海外事業所)
2024年度 廃棄物発生・処理状況(国内事業所)

各事業所においては良品率の向上、場内ロス再生利用、再生原料使用率の向上等に取り組んでいます。2024年度は、場内で発生したロスを粉砕原料化して再生利用(内部循環利用)を行い、積水樹脂グループ全体で738tの再生利用(内部循環利用)を致しましたが、前年より廃棄物量を減らしましたものの、内部循環利用率は20.7%となりました。

内部循環利用率の図 内部循環利用率は下記で算出しています。内部循環利用率=内部循環利用量÷(廃棄物量+有価物量+内部循環利用量)

ワンウェイプラスチックの使用量削減

資源の有効活用における3Rの推進については、ワンウェイプラスチック(梱包資材)の削減を掲げ、2026年度の達成目標を2021年度比で15%以上削減として活動を推進しています。
2024年度は2021年度比でワンウェイプラスチック使用量を5.7%削減しました。単純な梱包資材の削減は品質面に影響を与えかねず、梱包仕様については検証を行い問題が無い事を確認した上で変更し使用量削減の取り組みを進めて行きます。

ワンウェイプラスチック使用量(国内事業所)

ワンウェイプラスチック算定の範囲を拡大しましたので、過年度に遡って値を見直しています。

これまでの主な取り組み

  • メッシュフェンスパネル輸送梱包のフィルムレス化
  • メッシュフェンスパネル輸送梱包バンドの薄肉化
  • 包装フィルムの薄肉化
  • 工場間輸送時のストレッチフィルム削減品種の拡大
  • 横持ち製品のエコバンド/糊固定(段ボール箱)変更によるストレッチフィルム削減
  • 両端のみストレッチフィルム結束による削減(特定ユーザー向け農業支柱)
  • 農業支柱のバーコードフィルムレス化(支柱へのバーコード直接印刷によるフィルム廃止)
  • プラスチック金属複合板保護フィルム薄肉化の品種拡大
メッシュフェンスパネル輸送梱包フィルムレス化
シュリンクフィルムを使用した旧仕様
直接印刷による新仕様

使用済み製品のリユース・リサイクルシステムの構築

積水樹脂グループでは、使用済み製品のリユース・リサイクルにも取り組んでいます。

使用済バンドの回収・再資源化

リサイクルPPバンド

積水樹脂グループでは、廃棄物として処理されていた使用済みバンドを回収、再生してリサイクルバンドにするリサイクルシステム(Band to Band)に取り組んでいます。

バンド回収エリア
簡単に分解でき繰り返し使用できるプラスチック製コア(芯材)

広域認定制度を活用した使用済み製品のリサイクル

資源の有効利用・廃棄物削減のため、道路交通安全製品(ジスロンパイプを使用した樹脂製視線誘導標(デリニェーター・スノーポール))、金属樹脂積層複合板について広域認定制度の認定を取得しています。広域認定制度に基づくリサイクルシステムを構築し、使用後廃棄処理される製品を再度、原料として活用することで、使用済み製品廃棄物の削減・資源循環に貢献しています。

  • 広域認定制度とは
    製品が廃棄物となったものであって、当該廃棄物の処理を当該製品の製造、加工、販売などの事業を行う者が広域に行うことにより、当該廃棄物の減量その他その適正な処理が確保されることを目的として、廃棄物処理業に関する法制度の基本である地方公共団体毎の許可を不要とする特例制度です。
道路交通安全製品
スノーポールとデリニェーターの画像
金属樹脂積層複合板
プラメタル・断面図とアフィラウォールと防音パネルの画像
認定番号 認定年月日 認定を受けた者 対象産業廃棄物 回収量(トン)
2020年度 2021年度 2022年度 2023年度 2024年度
145号 2008年6月12日 積水樹脂株式会社
東北積水樹脂株式会社
道路交通安全製品 5 10 10 20 5
184号 2010年3月26日 積水樹脂プラメタル株式会社 金属樹脂積層複合板 8 9 12 3 18
TOPICS
使用済みクリアホルダーからできた再生材を使用したPPバンドを製品化し、エコマークを取得しました

アスクル(株)にて回収された使用済みクリアホルダ―由来の再生材を25%配合したPPバンドを製品化しました。本製品は、「SEKISUIJUSHIマタクルリサイクル PPバンド」(認定番号 24112012)としてエコマークを取得しています。強度性能は、バージン材料を使用した製品と同等であり、国内主要メーカーの梱包機に対応しています。