生物多様性保全への貢献
生物多様性保全の活動方針
環境コミュニケーション
「2030生物多様性枠組実現日本会議」への協賛
2010年より「国連生物多様性の10年日本委員会」に継続して協賛を行ってきました。2030年にむけた後継組織「2030生物多様性枠組実現日本会議」におきましても、生物多様性の保全と持続可能な利用に資する活動に、引き続き協賛してまいります。
『J-GBF 第三回ビジネスフォーラム・経団連自然保護協議会シンポジウム』での取り組み発表
2023年12月5日に開催されました『J-GBF 第三回ビジネスフォーラム・経団連自然保護協議会シンポジウム』において積水樹脂グループにおける生物多様性保全に関する取り組みを発表しました。当社グループの継続した地道な活動は、関係者各位より高い評価をいただきました。
「SATOYAMAイニシアティブ推進ネットワーク」への参画 【2013年より】
2010年に開催された生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)において、「SATOYAMAイニシアティブ」が提唱され、2013年9月に、里山保全の全国組織となる「SATOYAMAイニシアティブ推進ネットワーク」が設立されました。当社は本ネットワーク設立準備段階より参画しており、幹事企業として本ネットワークと連携し、「SATOYAMAイニシアティブ」の「普及啓発」「情報発信」「対話と実践」に取り組んでいます。
「生物多様性のための30 by 30アライアンス」への参画【2022年度より】
生物多様性の損失を食い止め、回復させるための新たな国際目標である「30 by 30」※1の達成を目指し、環境省が中心となり行政、企業、NPOなどに呼び掛けて設立した有志連合「生物多様性のための30 by 30 アライアンス」に参画しています。
- ※1「30 by 30」(サーティ・バイ・サーティ)
2030年までに、陸と海の30%以上を健全な生態系として効果的に保全しようとする目標
環境省「自然共生サイト」 認定取得(2023年前期)
「30by30」達成のための国内の取り組みとして、2023年度より開始した環境省の「自然共生サイト」において滋賀工場と物流センターの2拠点が認定されました。両保全エリアには土地開発などで激減する「貧栄養湿地」が残存しており、湿地性の動植物をはじめ多くの希少な生きものが生息しています。この希少な環境と継続的な保全、観察会など環境教育の場としての利用などが評価され、認定に至りました。この認定により、2024年8月に世界目標30by30の「OECM」として国際データベースに登録されました。
企業連携「生物多様性びわ湖ネットワーク※2」での取り組み(国内) 【2016年より継続】
生物多様性びわ湖ネットワークは、滋賀県に拠点を持つ異業種の企業が、滋賀県の生物多様性保全を目的とし、2016年に発足した任意団体です。本ネットワークでは、現在6社で環境指標種であるトンボをテーマに生物多様性の保全活動を展開しています。各社での保全活動を推進するとともに、参画企業が連携し琵琶湖博物館での活動展示やトンボ観察会などを実施しています。
- ※2生物多様性びわ湖ネットワーク参画企業(五十音順)
旭化成株式会社、旭化成住工株式会社、積水化学工業株式会社、積水樹脂株式会社、ダイハツ工業株式会社、
株式会社ダイフク
琵琶湖博物館での展示会の様子
滋賀県立琵琶湖博物館への寄付
滋賀県琵琶湖博物館の理念に賛同し、支援するため2023年12月に寄付をおこないました。琵琶湖博物館様には当社における生物多様性保全活動や、当社が参画する生物多様性びわ湖ネットワーク設立の2016年より取り組みにおいて、ご助言や活動発信など多くのご支援を頂いております。
滋賀工場における希少種保全の取り組み
積水樹脂の滋賀工場には、土地開発などで激減する「貧栄養湿地」が多く残っており、その湿地には環境省や滋賀県の絶滅危惧種である希少ないきものが多く生息しています。ビオトープを保全していく上で環境の変化を観察するために、従業員による日々の観察に加え、毎年季節ごとの専門家によるモニタリング調査を行っています。
①生態系にあわせた環境保全活動
滋賀工場のビオトープは希少種を含む多くの生きものの生息地となっています。その環境をまもるため、生きものの活動期を考慮した除草や間伐など生態系にあわせた保全を継続的に実施しています。
- 継続的取り組み
-
- 貯水池のガマ刈り、ヨシ刈り(2015年より継続)
- 保全エリアの除草、マツ等の間伐(2018年より継続)
- 新たな取り組み
-
- 琵琶湖博物館学芸員よりご助言を頂き、貯水池でのウナギによるザリガニ駆除を開始(2023年より)
②事業所内における生きものモニタリング調査(2015年より継続)
滋賀工場では環境指標種であるトンボを指標に、専門家による季節ごとのモニタリング調査を実施しています。滋賀工場ではこれまで55種のトンボが確認されており、滋賀県で確認された種数の約半分が確認されています。その多くは滋賀工場のビオトープを繁殖場所としていますが、琵琶湖や周辺の河川、山林を繁殖場所とする種の飛来も確認されており、多くのトンボが利用する多様な自然環境が滋賀工場にはあると考えられます。
③事業所内ビオトープを活用したトンボ観察会
滋賀工場では、子どもたちが生きものに触れる機会として、例年「従業員向け夏休みトンボ観察会」を開催しています。事業所内のビオトープを活用し、専門家と一緒に生きものに触れる観察会は子どもたちにとって非常に貴重な機会となっています。当日は、お父さんやお母さんが働く積水樹脂の紹介や、滋賀工場が取り組む生きものを守る活動を、子どもたちに発信しています。
④事業所に生息する希少種
2022年度の滋賀工場における生きもの調査では323種類(植物239種類、動物84種類)の生きものが確認されており、その中には33種類(植物19種類、動物14種類)の絶滅危惧種が含まれています。
環境貢献活動
各事業所において、地域と連携した環境貢献活動を継続的に実施しています。
- 石川工場
-
- 日本海沿岸の松林再生保全活動
- 積水樹脂プラメタル㈱(長野県)
-
- アカマツ林の雑木の除伐や下草刈り
- 滋賀工場
-
- 琵琶湖のヨシ刈り(2012年度より)
- 近隣河川(善光寺川)清掃活動(2018年度より)