循環型社会への貢献
2019年に政府が掲げた施策「プラスチック資源循環戦略」に基づき、『3R+Renewable』の観点で、ライフサイクル(製品開発~材料調達~モノづくり~使用~廃棄)の各段階で3Rに取り組み、資源の有効活用につなげています。
3Rに配慮した製品開発の推進
製品開発段階で使用材料仕様、リサイクル材、軽量化、長寿命化などに配慮し製品開発を進めています。
3R配慮設計 事例
3Rポイント
当社の蓄電池の期待寿命は3年でしたが、長寿命化を図り、期待寿命を6~10年としました。
3Rポイント
再生ゴムチップなどの再生材料を使用して生産しています。また、使い終えた製品を100%リサイクルして再利用することができます。
バイオプラスチック(バイオマスプラスチック、生分解性プラスチック)の利用拡大
人工芝製品(ドリームターフPoligras Tokyo GT)ヤーン(芝葉)の原料には、サトウキビから作られた植物由来のポリエチレン「バイオベースポリエチレン」を約60%使用しています。また、人工芝製品以外にも、バイオプラスチックの利用拡大に向けた製品開発を進めています。
生産部門における3R活動
2010年度より排出物の削減を目的に、2023年度の有価物を含めた廃棄物の排出量削減目標を原単位で2021年度比2%以上削減(場内リサイクル除く)として、取り組みを行っています。2023年度も、生産性及び良品率改善につながる設備導入や仕様変更により廃棄物発生量の抑制に取り組みましたが、滞留分や設備・廃番製品による一時的な廃棄量の増加により、廃棄原単位は基準年とする2021年度より大幅に後退する結果となりました。循環型社会の構築へ貢献していくためにも「つくる責任」として、引き続き、「3R(Reduce:発生抑制、Reuse:再使用、Recycle:再資源化)+Renewable(再生可能資源に代替)活動」を推進し、廃棄物の削減につとめます。
各事業所においては良品率の向上、場内ロス再生利用、再生原料使用率の向上等に取り組んでいます。
2023年度は、場内で発生したロスを粉砕原料化して再生利用(内部循環利用)を進め、積水樹脂グループ全体で804tの再生利用(内部循環利用)を行いましたが、廃棄物量・有価物量が大幅に増えたことにより、内部循環利用率は21.4%となりました。
ワンウェイプラスチックの使用量削減
資源の有効活動における3Rの推進については、ワンウェイプラスチック(梱包資材)の削減を掲げ、2023年度の達成目標を2021年度比で3%以上削減として活動を推進しています。
2023年度は2021年度比でワンウェイプラスチックの使用量を11.0%削減しました。単純な梱包資材の削減は傷つきなどの品質面に影響を与えかねず、今後も慎重な検証と工夫を重ねて使用量の削減に取り組みを進めて行きます。
具体的な取り組みとしては、水溶性接着剤の使用による段ボール荷崩れ防止やエコバンドへの切り替えなど梱包資材の見直しによるフィルムレス化を進めています。
これまでの主な取り組み
- メッシュフェンスパネル輸送梱包のフィルムレス化
- 農業支柱のバーコードフィルムレス化(バーコード直接印刷)
- 工場間輸送時のストレッチフィルム削減品種の拡大
- 横持ち製品のエコバンド利用によるストレッチフィルム削減
- プラスチック金属複合板プロテクトフィルムの薄肉化
使用済み製品のリユース・リサイクルシステムの構築
積水樹脂グループでは、使用済み製品のリユース・リサイクルにも取り組んでいます。
使用済バンドの回収・再資源化
積水樹脂グループでは、廃棄物として処理されていた使用済みバンドを回収、再生してリサイクルバンドにするリサイクルシステム(Band to Band)に取り組んでいます。
広域認定制度※を活用した使用済み製品のリサイクル
資源の有効利用・廃棄物削減のため、道路交通安全製品(ジスロンパイプを使用した樹脂製視線誘導標(デリニェーター・スノーポール))、金属樹脂積層複合板について広域認定制度の認定を取得しています。広域認定制度に基づくリサイクルシステムを構築し、使用後廃棄処理される製品を再度、原料として活用することで、使用済み製品廃棄物の削減・資源循環に貢献しています。
- ※広域認定制度とは
製品が廃棄物となったものであって、当該廃棄物の処理を当該製品の製造、加工、販売などの事業を行う者が広域に行うことにより、当該廃棄物の減量その他その適正な処理が確保されることを目的として、廃棄物処理業に関する法制度の基本である地方公共団体毎の許可を不要とする特例制度です。
認定番号 | 認定年月日 | 認定を受けた者 | 対象産業廃棄物 | 2023年度 |
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145号 | 2008年6月12日 | 積水樹脂株式会社 東北積水樹脂株式会社 |
道路交通安全製品 | 20トン回収 |
184号 | 2010年3月26日 | 積水樹脂プラメタル株式会社 | 金属樹脂積層複合板 | 3トン回収 |
剥離機による複合板のリサイクル
積水樹脂プラメタル(株)では、金属樹脂積層複合板のロス材の有効利用及び広域認定※1回収品の処理の生産性を向上するため、2019 年度に複合板剥離設備を更新しました。金属樹脂積層複合板(廃材)を芯材(樹脂)と金属箔(アルミ)の素材に分離することが可能であり、分離した芯材(樹脂)は再度芯材の原料として、また、金属箔(アルミ)は有価売却するなど、資源循環に取り組んでいます。
- ※1積水樹脂プラメタル(株)では、広域認定制度の認定も取得しており、使用済みの金属樹脂積層複合板のリサイクルにも取り組んでいます。(認定番号184号2010年3月取得)