トップメッセージ

株主の皆様には平素より格別のご高配を賜り厚くお礼申し上げます。
さて、当社2024年3月期第2四半期連結累計期間(2023年4月1日から2023年9月30日まで)の事業概況並びに決算の内容をご報告申し上げます。

当第2四半期連結累計期間のわが国経済は、国内の消費活動の持ち直しなどを背景に緩やかな回復基調が続きましたが、ウクライナ情勢に端を発した資源価格及びエネルギーコストの高止まりに加えて急激な為替変動や物価の上昇など、経営環境は依然として予断を許さない状況が続いております。
このような経営環境下において、当社グループは、「人的資本の価値最大化」、「成長戦略による拡大」及び「サステナビリティ経営の推進」を基本方針とした長期ビジョン「積水樹脂グループビジョン2030」を策定し、事業戦略を着実に推進するとともに、成長戦略を加速させるべく大幅な組織の見直しを行うなど、長期ビジョンの実現に向けた事業活動を推進しております。
当第2四半期連結累計期間においては、自然災害に対する防災・減災、安心して暮らせるまちづくりのための国土強靭化、生活道路・通学路における歩行者の交通安全対策や騒音低減などの社会課題に対し、当社の強みである「モノづくり」の強化、「サステナビリティ貢献製品」の提案を通じて安全・安心・快適な暮らしに向けたソリューションを提供するなど、サステナビリティ経営の強化に引き続き注力いたしました。
また、原材料価格やエネルギーコスト・輸送費高騰への対策に継続して取り組むことに加えて、有効な設備投資による生産性向上、オフィスの移転やリニューアルによる働き方や職場環境の変革を行うなど、将来に向けた投資についても積極的に実施いたしました。
当第2四半期連結累計期間の連結業績につきましては、工期遅延の影響など収益面で厳しい状況にありましたが、将来に向けた人財・成長投資を推し進めたことにより、売上高は278億8千6百万円(前年同期比 4.6%減)、営業利益は25億2千9百万円(前年同期比30.1%減)、経常利益は28億3千7百万円(前年同期比27.1%減)となり、親会社株主に帰属する四半期純利益は19億4千4百万円(前年同期比 21.9%減)となりました。
剰余金の配当につきましては、当社は企業体質強化をはかりながら、株主の皆様への利益還元を充実させていくことを経営の最重点課題と考えており、安定的な配当の継続を利益還元の基本方針としております。
中間配当につきましては、10月31日開催の取締役会におきまして連結業績並びに連結配当性向を勘案いたしました結果、直近に公表いたしました配当予想の通り、昨年に比べて2円増配の1株当たり普通配当33円とさせていただきました。

今後の経済情勢は、インバウンド需要の回復や、国内製造業の生産回復に寄与する供給制約の解消、グリーントランスフォーメーション(GX)への投資拡大などによる経済活動の活性化が期待されるものの、資源価格・エネルギーコスト、為替市場の不透明な動向、世界的な金融引き締めによる海外景気の下振れ、そして、いわゆる「2024年問題」による物流現場や建設現場への影響など、経営環境は依然として予断を許さない状況が続いております。
このような情勢下、当社グループは、総合力や設計対応力を活かした製品提案に注力することで業績目標の達成に向けて取り組むとともに、長期ビジョンの基本方針に基づく将来への投資を積極的に進めてまいります。
また、成長戦略の一環として、IoT技術による新たな事業領域拡大に向けた推進体制の強化やオープン イノベーションを通じた新事業創出に取り組むとともに、CO2排出削減に向けた施策やサステナビリティ貢献製品の開発・販売を一層強化し、持続的な企業価値の向上をはかってまいります。さらには、その基盤となる人的資本に焦点を当て、人財育成方針、ダイバーシティ&インクルージョンポリシーや健康経営宣言に基づいた人財への投資や諸施策を積極的に推進してまいります。

株主の皆様におかれましては、今後とも一層のご支援、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

代表取締役社長兼CEO 馬場浩志