個人投資家の皆様へ
積水樹脂ってこんな会社です
積水樹脂グループは「複合技術による価値ある製品の創造とサービスを通じて社会の安全・安心・環境に貢献する企業グループを目指します。」という
経営理念のもとに、独自の技術力によって特色ある製品の事業化をはかっています。
成長戦略を一つひとつ実現していきます
飛躍的成長を実現するための投資と経営基盤の強化を引き続き推進します
2024年11月、当社は創立70周年を迎えました。この大きな節目を迎えることができたのは、長きにわたりステークホルダーの皆様よりいただいてきたご支援の賜物です。従業員・役員を代表して、改めて心より御礼を申し上げます。
現代の企業活動を取り巻く状況は、日々刻々と変化しています。当社の事業領域においても、こうした変化の波に直面していますが、創業以来培ってきた「技術力」と、それを支える「人財力」は、当社の持続的成長を支える根幹であり、いかなる環境変化にも柔軟に対応できる力であると確信しています。
当社は、2023年4月に『積水樹脂グループビジョン2030』を策定しました。今後も、目標として掲げた飛躍的成長を遂げるために、成長のための投資、人財への投資、経営基盤の強化を、引き続き強力に推進してまいります。
2025年7月31日
高付加価値製品で環境変化に対応
当社の事業は、「公共分野」と「民間分野」の2つのドメインに大別されますが、いずれも国内の外部環境においては、先行き不透明な状況が続いています。公共分野では、主に道路設備関連の事業を展開していますが、今後は、道路の新設から既存インフラの改修・メンテナンスが成長分野になると見込んでいます。これに伴い、従来製品に加え、改修・保守ニーズに対応した高付加価値製品の開発が求められています。また、道路設備で培った技術を基盤に、港湾や鉄道など新たな分野への展開も進めてまいります。
民間分野では、住建関連事業、総合物流事業、アグリ事業などを展開しています。住宅・建築着工数の減少に象徴されるように、人口減少の影響が避けられない中、建築現場における労働力の不足を補えるような、軽量で施工性に優れた製品は、今後ますます必要とされるでしょう。そして、環境面に配慮された製品や、防犯・防災面での性能強化も求められています。既存の製品だけでなく、これらの付加価値を高めた製品を開発することで、厳しさを増す民間市場に対しても需要に応えてまいります。
国内市場に加えて、海外での事業展開拡大もはかります。「交通安全製品の普及」を切り口に、特に欧州と東南アジアでの事業展開を進め、2030年時点で当社グループの全売上高のうちの20%以上に成長させる目標を掲げています。米国の通商政策をはじめ、海外事業を取り巻く環境には不確実性もありますが、状況を慎重に見極めながら、着実な成長を目指してまいります。
自動運転社会に技術力を活かす
事業環境の変化に柔軟に対応し、持続的な成長を実現するためには、コア製品の改善・改良に加え、新たな要素技術の獲得による製品の高付加価値化が不可欠です。当社は、技術力を活かした製品開発を通じて、社会課題の解決と新たな価値創造に取り組んでいます。
昨年度(2024年度)、特に注力してきた取り組みの事例として、公共分野では将来の自動運転社会に対応する製品の開発が挙げられます。自動車メーカー、システムメーカー等で構成されるワーキンググループに参画し、社会実験も数カ所で実施してきました。また、IoT技術を活用し、交通事故や冠水などの道路状況を遠隔で把握・管理できるシステムの製品化にも取り組んでいます。

ペロブスカイト普及の一翼を担っていく
民間分野では、RFID(※)製品の開発を電波障害対策の一環として推進するとともに、民間・公共両分野で幅広い応用が期待されるロボット技術の研究開発にも着手しています。
特筆すべき新たな事業分野としては、次世代の再生可能エネルギーとして注目される「ペロブスカイト太陽電池(PSC)」関連事業が挙げられます。軽量で建物への負荷軽減や耐震性能向上といった利点もあり、政府も国策の1つとして開発支援を表明している新技術です。現在、積水化学グループにおいては、積水ソーラーフィルム(株)がペロブスカイト太陽電池開発を進めています。当社は、ペロブスカイト太陽電池の本格的な普及において必要となる、建物躯体への貼付技術を駆使するなどしたユニット化を目指して総合力を発揮し、開発・普及の一翼を担っていきたいと考えています。
- ※RFID…電波を用いてICタグの情報を非接触で読み書きする自動認識技術
技術力に着目したM&Aを今後も推進
成長戦略の一環として、技術面でのシナジー(相乗効果)創出を目的としたM&Aにも、引き続き前向きに取り組んでいきます。
2024年1月に当社グループへ迎え入れたドイツのWEMASグループは、仮設タイプの交通安全製品を得意としています。一方で当社グループのオランダ・ジスロン社は常設タイプの製品に強く、欧州市場で相互に補完し合える体制を構築することができました。また、同じく2023年12月に迎え入れた(株)エクスタイルは、発泡押出技術において国内屈指の技術を有し、軽量で高機能なめかくし塀の分野で高い競争力を誇ります。当社が有するメッシュフェンスやめかくし塀の技術と融合させることで、製品力のさらなる向上が期待されます。
直近では、2024年12月に理研興業(株)をグループに迎え入れました。同社は防雪・防風柵の研究開発において高い技術力を持ち、国内屈指の風洞試験設備を保有しています。当社が強みとする交通安全製品や防護柵製品と組み合わせることで、より高性能な製品の提供が可能となり、技術面での大きなシナジーが見込まれます。
これらのM&Aは、単なる業容拡大を目的としたものではありません。重視しているのは、技術面での相互補完とシナジーの創出、そして技術を究めた人財を新たな仲間として迎え入れることによる、人財面での相乗効果です。今後も、当社グループの持続的成長と価値創造に資するM&Aを、戦略的に推進してまいります。
成長戦略推進のため2本部を新設
成長戦略をより加速させるため、2025年4月に実施した組織体制変更で「技術設計施工・市場開発本部」そして「IT戦略本部」の2本部を新設しました。
「技術設計施工・市場開発本部」は、従来の「第一事業本部」(公共)、「第二事業本部」(民間)の枠を超えて、大型案件への対応や設計提案など両事業本部と連携して対応します。事業分野ごとの組織を「タテ串」だとすれば、当本部は言わば「ヨコ串」として機能し、横断的な視点で事業を支える体制です。新事業として着手してきた鉄塔や架台製造などの電力・インフラ事業も、新たな本部のもとで事業展開を加速させていきます。
一方の「IT戦略本部」は、これまでやや後回しになっていた感もある社内業務の効率化を加速するべく、本部として立ち上げました。成長戦略の実現には、規模拡大を支える社内ITインフラや環境の整備が欠かせません。優秀な人財に働きがいを持って活躍してもらうためにも、「IT戦略本部」を中心に積水樹脂グループ全体のIT化、効率化を進めていきます。
社会とともに持続的に成長する企業へ
企業が事業活動を行う上で、サステナビリティの追求は今や当然の責務だと言えるでしょう。
当社グループでは、環境問題を含む多様な社会課題のソリューションにつながる製品を「サステナビリティ貢献製品」と銘打ち、一定の社内基準をクリアした製品に対して、社外取締役も交えた場で評価を行い認定しています。2024年度の連結売上高において「サステナビリティ貢献製品」が占める比率は57.0%でした。これを2029年度末までに、70%以上に高めていきます。脱炭素の取り組みでは、製造過程における電力使用の見直しなどを通じて、CO2排出量の削減を進めています。2013年度比で、2024年度は40.7%まで削減し、当初の数値目標は達成しています。2029年度末までに46%削減する目標を掲げており、こちらも引き続き取り組んでまいります。
地域環境保全への貢献としては、滋賀県竜王町にある当社の滋賀工場など2カ所で、「手づくりの自然環境共生サイト」づくりに取り組んでいます。従業員が仕事の合間を縫って、絶滅危惧種に指定されている動植物の保護に、地道に取り組んでいます。2023年10月には環境省の「自然共生サイト」に認定されました。この活動を評価していただき、2023年12月には「経団連自然保護協議会シンポジウム」にて講演する機会をいただきました。
今後も、事業活動のあらゆる場面でサステナビリティ経営を推進し、社会とともに持続的に成長する企業を目指してまいります。

「人財第一」の基本を貫く
当社グループは、『中期経営計画2027』や『積水樹脂グループビジョン2030』において、将来に向けた成長戦略を描き、具体的な数値目標を掲げています。しかしながら、それらの戦略を遂行し、目標を達成するのは、一人ひとりの「人財」に他なりません。私はCEOとして、従業員や役員が安全・安心・健康に働き続けられる環境づくり、そしてその努力を支えるご家族の皆様にも応援していただけるような企業風土づくりを、経営の最優先課題と位置づけています。「人財第一」の基本を貫くことで、従業員のモチベーションが高まり、新たな技術の獲得や製品開発、ひいては企業価値の向上につながると確信しています。
近年では、お取引先様など社外の方々から「積水樹脂の営業担当は非常に積極的で、提案力がある」「間接部門の社員も快活で印象が良い」といったお褒めの言葉をいただく機会が増えています。これは、会社全体に「皆で良い会社にしていこう」という意識が浸透している証であり、経営者として大変喜ばしく、心から感謝しています。
一方で課題もあります。先日社内で実施した「エンゲージメントサーベイ」では、同規模他社と比較して平均以上の評価を得た一方で、当社が抱える課題も浮き彫りになりました。多かった意見の1つが、女性従業員が活躍できる環境整備に関する声です。出産や育児といったライフイベントを経ても、長期にわたり活躍できる環境づくりには、まだ改善の余地があります。寄せられたポジティブな意見や指摘を受け止め、一つひとつ、スピードを上げて環境改善に取り組んでいきます。

将来に向けた有効な投資を継続
先に策定した『積水樹脂グループビジョン2030』において、『中期経営計画2027』の3カ年は「2030年までに飛躍的成長を遂げるために、成長投資の継続および人的投資を含む、経営基盤の強化を行う助走期間」として位置づけました。初年度に引き続き、今年度も将来に向けた投資や体制づくりを積極的に推進します。
2025年3月期の業績は、連結売上高は742億円となり、前年度から増収。この中には、M&Aにより経営権を取得したWEMASグループ、(株)エクスタイルの売上も含まれています。連結営業利益は、資源・原材料価格や輸送コストの上昇、既存事業の売上構成の変化やコスト上昇に加え、人財・成長に向けた投資が重なり、50億円となりました。一方、営業利益に設備投資の減価償却費とのれん償却額を加えた「EBITDA」で見れば、今期、成長をしております。
しかし、将来の当社グループの土台となる「人財」「技術」への新たな投資は、『積水樹脂グループビジョン2030』の達成を見据えて、今後も歩みを止めません。2026年3月期は、売上・利益ともに増収増益を見込み、特に利益は20%を上回る伸長率を見込み、ROEは、4.5%へと改善する見通しです。
株主の皆様への還元も、引き続き重視してまいります。自己株式の取得を今後も継続し、総還元性向については2027年3月期まで、100%以上の維持を目指します。配当についても、2030年3月期までは40%以上の維持を目指します。持続的な成長と企業価値の向上を通じて、株主の皆様のご期待に応えてまいります。
「人財」と「技術力」を両輪に持続的成長を
当社の最大の財産は「人財」であり、成長戦略の土台になるのが「技術力」です。新たな要素技術の獲得と、コア技術の一層の進化、そこからの新製品創造を軸に、「人財」と「技術力」を両輪として持続的な成長を遂げてまいります。また投資家の皆様に対しては、これまで以上に株価を意識した経営を推し進め、企業価値の向上を通じて皆様からのご期待にお応えしてまいります。
冒頭でも触れました通り、当社は2024年11月に、創立70周年を迎えました。『積水樹脂グループビジョン2030』の最終年度である2029年度には、75周年を迎えます。さらにその先の「100年企業」に向け、社会課題の解決に貢献する製品・サービスを通じて、持続可能な社会の実現に寄与してまいります。引き続きお見守りいただけますと幸いです。
投資をお考えのみなさまへ
もっとご理解いただくために
会社紹介動画
積水樹脂グループ公式note


積水樹脂グループ公式noteでは当社グループの製品開発や従業員や環境への取組みなどをお伝えしています。





