[決算短信] [業績の概要] [貸借対照表] [損益計算書]

当期及び次期の業績の概況



 当期のわが国経済は、金融システム不安による信用収縮や企業の業績低迷による雇用不安に伴う
消費マインドの一層の冷え込みに加え民間設備投資が減退する等、景気は一段と深刻な様相を呈し
てまいりました。
このような厳しい情勢の下で、当社は、製品品質の信頼性を高めるべく、道路・都市環境製品の
主力生産拠点である滋賀竜王工場並びに産業資材製品の生産拠点である石川工場にて「ISO90
00シリーズ」の認証を取得しましたほか、「全社構造改革運動」のもと、”攻め”として、営業
所網の拡充、付加価値の高い製品の開発・販売に努める一方、”守り”として、組織の統廃合、一
層のコストリダクションの推進等「攻めと守りを明確にした経営」を積極的に展開し、経済のボー
ダーレス化や世界的な大競争に耐えうる強い企業体質の構築に全社一丸となって努力しました結果、
厳しい経済環境の中、当期の売上高は利益を重視した経営により571億3千2百万円(前期比1
1.5%減)と大巾減収にはなりましたが、経常利益は構造改革をはじめとした利益体質強化策等
により26億6千4百万円(前期比22.7%増)と増益の成績を収めることができました。また、
当期純利益は構造改革推進に伴う一時的な費用発生等により8億5千6百万円(前期比30.5%
減)となりました。



 これを部門別に見ると、道路環境部門は、高速道関連製品が発注物件の大巾な減少により売上減
を余儀なくされましたが、交通安全関連製品は「スノーポール」のリサイクル型が好評を博し、標
識標示関連製品も悪天候時、夜間時に優れた視認性を発揮する自発光標識板が順調に売上を伸ばし
ました。都市環境部門は、街路関連製品の防護柵が低価格製品に需要が移行しましたため売上は低
調に推移し、橋梁公園関連製品も発注物件の大巾減により前期を下回る成績となりましたが、シェ
ルター・照明灯関連製品は順調に売上を伸ばしました。住建装部門は、メッシュフェンスが堅調に
推移しましたものの、住宅部材が低調な成績となり、建装店舗関連製品も利益に重点をおく販売を
実施しました結果、売上は前期を大巾に下回りました。 産業資材部門では、包材関連製品が物流
量減少の影響から伸び悩むとともに、緑関連製品も輸出減少により前期並みに推移しましたが、F
&M(フィルム・マシーン)関連製品は輸送形態の変化に伴う荷崩れ防止や防塵のニーズと地道な営業努力と
が相まって、順調に売上増を示しました。生活用品部門は、開発・営業一体となった販売努力をい
たしましたが、個人消費の低迷と販売価格の下落傾向に歯止めがかからず、売上は低調裡に推移し
ました。


 今後の経済情勢は、金融システムの安定化策や公共投資の拡大等景気は政府の経済対策効果に下
支えされ、若干の明るさが期待されますものの、本年秋以降の政策効果の息切れ、雇用・所得環境
の悪化に伴う消費回復の停滞も懸念され、急速な回復は望めない状況が続くものと予想されます。
 このような環境の中にあって、さらなるコスト競争力を強化するため、地元密着の事業を推進し、
本年4月1日付にて石川工場の生産を当社関係会社の北陸積水樹脂(株)に全面委託しましたことを
はじめ、今後さらに営業所網の充実をはかるとともに全社構造改革を一層展開いたします。また、
一方では地球環境に対する社会的責任を果たすべく本年よりスタートした「環境経営革新運動」の
推進、グローバルスタンダードに基づく経営機構の改革を実行し、利益を重視した業績の向上に全
力をあげて取り組み、次期の業績見通しとしては、売上高575億円、経常利益30億円、当期純
利益13億円を予定しております。