(1)当中間期の概況 当上半期の経済情勢は、所得・住民税の減税をはじめとする政府の経済対策の効果もあり、景気 は下げ止まり感をみせ一部に回復の兆しがありますものの、雇用・所得環境のさらなる低迷や民間 設備投資の減少の影響もあり、自律回復にはいたらぬ状況で推移いたしました。 このような情勢の中で、当社におきましては、経済環境のボーダーレス化時代におけるグローバ ルな企業間競争に対応すべく執行役員制やカンパニー制の導入等大巾な経営体制の刷新を行い、意 思決定の迅速化と効率的な経営を積極的に推進しましたほか、収益力のある強い企業体質の構築を はかるべく石川工場の生産を関係会社に全面委託し、また、採算性の低い事業から撤退し利益を重 視した経営に徹する等「全社構造改革」をさらに推進しました結果、当上半期の売上高につきまし ては238億7千1百万円(前年同期比5.1%減)、経常利益は6億7千8百万円(前年同期比 65.1%増)、中間純利益は2億3千5百万円(前年同期比49.6%増)と減収ながら増益の 成績を収めることができました。 カンパニー別の概況は次のとおりであります。 <道路・都市環境カンパニー> 高速道関連製品は防音壁の受注が活発化し好調な売上増を示しましたが、交通安全関連製品は地 方自治体の予算縮小により、標識標示関連製品も標示材の全国的な発注減少の影響により売上減と なりました。 街路関連製品は景観防護柵をはじめ売上は低調裡に推移しましたが、橋梁公園関連製品は主力の 高欄が「防護柵の設置基準」の改訂に伴う需要増と営業努力が相まって大きく売上を伸ばしました。 <住建生活・産業カンパニー> 住建関連製品は住宅部材・手摺が順調な成績を収めましたが、メッシュフェンスは売上減を余儀 なくされ、建装店舗関連製品も、主力製品の販売に特化しましたため、売上は前年同期を大巾に下 回る結果となりました。 生活関連製品は主力製品の物干具をはじめとして個人消費低迷の影響を強く受け、新製品の上市 や新しい販売チャネルの拡大努力にもかかわらず売上は伸び悩みました。 緑関連製品は新栽培システム「サンドポニックス」が売上に貢献しましたため大巾な売上増をみ せ、F&M(フィルム・マシーン)関連製品も着実に売上を伸ばしましたものの、包材関連製品は主力の梱包用 バンドが物流量の減少により低調裡に推移しました。 (2)通期の見通し 今後の経済情勢は、リストラ効果による企業収益の好転が予想されますものの、景気を下支えし てきた政策効果の息切れや不安定な為替相場、雇用情勢の悪化に伴う個人消費への影響等が景気回 復の足止め要因として懸念され、先行きは不透明感を拭えない状況が続くものと予想されます。 このような状況下で、当社は、積水樹脂グループ全体として最適化の観点から構造改革をさらに 推進するとともに、カンパニー直轄の営業体制を構築する等大巾な営業組織の改革とスリム化をは じめ、本社機構のスモール化を実施しますほか、生産・販売面では、一層の生産効率化や海外戦略 の積極展開をはかる一方、現在社会的ニーズの高い環境問題に対応した製品群の開発・上市に注力 し、厳しい競争に勝ち抜く企業体質の構築に努め、通期の業績見通しとしては売上高555億円、 経常利益27億5千万円、当期純利益10億5千万円を予定しております。 なお、期末配当金につきましては、普通配当として1株につき5円、特別配当として1株につき 1円50銭を予定しております。 |